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2007年5月12日 (土)

五社英雄監督作品「女殺油地獄」

「文楽は芸術だ!」などと偉そうなことを書いて思い出したのが、五社監督の「女殺油地獄」オンナゴロシアブラノジゴクです。五社監督の作品全部観ているわけじゃありませんが、「陽暉楼」ヨウキロウだの有名な作品がありますが、私は断然この「女殺油地獄」を一番に揚げます。

1992年作品「女殺油地獄」

監督  五社英雄

脚本  井手雅人

出演 油屋河内屋の放蕩息子与兵衛 に 堤真一

    油屋豊島屋の女房お吉に 樋口可南子

    油屋元締め一人娘小菊に 藤谷美和子

    その他、河内屋のお兄ちゃんに 辰巳琢郎

    豊島屋お吉の亭主に 岸部一徳 など

この映画の原作は、言わずとしれた文楽作家 近松門左衛門の「女殺油地獄」です。この映画を観たとき、これは現代の近松だ!映画ってほんとうにすばらしい!と思わせてくれた作品です。シナリオがすごく良く出来ています。

物語は、河内屋の放蕩息子与兵衛に手を焼いている河内屋夫婦(父親は、義理の父で元使用人)が、豊島屋のお吉にお金を託し、そのお金で放蕩から足を洗って、真面目な商人になるよう説得してもらうことから始まります。  だが与兵衛の放蕩は収まらず、こともあろうに油屋総元締め(油屋仲間の親方)の一人娘小菊に手を出してしまいます。お吉はなんとか二人を別れさせようとしますが・・・・・

ラスト、与兵衛が豊島屋でお吉に斬りかかっていくところは、樽から油がこぼれて滑りながらの格闘で映画ならではのリアルさですごいです。

映像、物語、キャステング とすべてそろっているように感じました。

樋口可南子さんの色気は、女の私にはよくわかりませんでしたが、堤真一さんには生唾ゴクリ。堤さんがフジテレビの月9(ゲック)ドラマ「ピュア」で大ブレイクする前の作品ですが、関西人の堤さん、せりふも関西弁ですからしゃべりやすいでしょうし、不良青年役にぴったりという感じでした。

映画の中で、堤さんが「曾根崎心中」の道行きの台詞をボソッと言うシーンがあるんですが、

   『この世の名残(ナゴリ) 夜も名残 死に行く身をたとうれば

   あだしが原の道の霜・・・』

シビレました。

また、小菊を誘い出し遁走する時、ザーザー降りの雨の中、元締めの家の庭の中にほっかむりをした与兵衛が突っ立って鋭い目で小菊を見てる・・・女だったら、誰でもついていきたくなる風情でした。

ということで・・この映画、まだご覧になっていない方はぜひご覧になって下さい! すばらしい日本映画です。!!!

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