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2007年8月16日 (木)

「キクとイサム」ー神保町シアターにて

東京は、千代田区神田神保町(古本屋街)に新しく出来た映画館に行ってきました。オープニング記念 ー川本三郎編 映画の昭和雑貨店 こどもたちのいた風景ー と銘打った10作品の中の「キクとオサム」という映画です。チラシは見てなかったのですが、その他にもなかなか良い作品が並んでいました。

この「キクとオサム」は、初めて読んだシナリオ集「水木洋子 人とシナリオ」の中に入っていた作品で、この映画はぜひ映画館で観たいと思っていたのです。

1959年作品「キクとオサム」

監督  今井正

脚本  水木洋子

出演  キク(11歳)   高橋恵美子

     イサム(9歳)   奥の山ジョージ

     キクとイサムの祖母しげ子婆さん   北林谷榮

     その他 新聞記者  三国連太郎など

日本が第二次世界大戦で負けた後、米国の占領地になって、黒人のアメリカ兵と日本女性との間に生まれた混血児キクとオサム。

母親は亡くなり、父親は米国へ帰ってしまい、今は山村で祖母に育てられているというお話です。

9歳のオサムは、自分が黒人の混血児であることをはっきり意識していない。11歳になったキクはうすうす色々なことが判り始めている。…おばあちゃんは、年々身体が弱り、二人の将来について悩み始めている。…周りの人の中には、米国へ帰したほうが良いという人たちもいる。

そして、イサムは米国へ養子縁組されることになりますが…

キク役の高橋恵美子嬢は、現実にもおばあちゃんに育てられていた子供で、水木洋子さんが気に入り、彼女を主役にしなければ、シナリオを書かないとまでおっしゃったそうです。

今井監督は、頭の良い美しい黒人との混血の女の子を主役にしたかったそうですが、恵美子嬢のカメラテストをして彼女の迫力ある顔に圧倒され、水木洋子さんに負けた!と思ったということです。

映画ラスト、恵美子嬢演じるキクちゃんの明るいパワフルさに観客は救われます。

この作品では、日本を代表するおばあちゃん女優、北林谷榮さんが、要となって物語りが進行していきます。北林さんが居なかったら、この映画は成立したでしょうか?

しかし、この時、いったいおいくつだったのかとネットで調べてみました。

なんと1911年生まれ、今年で96歳!93歳の時、本まで出されています。

この映画を作ったのが、1959年48歳の時、正に油が乗っている時ですね。徹底的なリアリズム!よくあそこまで老婆になれるものだと感心してしまいました。

この「こどもたちのいた風景」10作品のうち、なんと4作品に出演されています。多分、いずれもおばあちゃん役だと思います。

北林谷榮さんは、小柄で顔も小さく、日本の典型的な可愛いおばあちゃんになれるタイプなのですね。それにすごい演技力!演技力なくしてああいう老婆役なんてできませんからね。古典芸能だったら、さしずめ人間国宝ですね!

おばあちゃんがイサムに野球帽、キクに下駄を買って帰って来た時、ジーンと胸に来てしまいました。

今の日本からは、想像もできないほど貧しかった時代。お茶受けとして生の大根を食べているのを見て、びっくりしました。(だけど健康的かも)

風俗としてスカートに下駄というのが、なぜか新鮮に感じられました。

私もやってみようかしら?

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